虫採りに学ぶ私たちの未来 - sisodwa
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トランスカイ・暮らしのエッセイ

虫採りに学ぶ私たちの未来

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第14回    虫採りに学ぶ私たちの未来

私は子供の頃、大の昆虫好きだった。大人になってから私と出会った人は信じられないかもしれないが、少ない私の幼少時代知っている友人であれば、そのことをよく知っているだろう。
赤とんぼ、カエルに、毛虫に、カミキリムシにカマキリ虫。家の周りに生息する昆虫はだいたい知っていた。おたまじゃくし、青虫、幼虫、サナギを持って帰ってはカエルや成虫になるのを楽しんで見ていた。
北九州の郊外で生まれ育った私は、神社や、山の麓にある公園、空き地、当時はまだ残っていた田んぼなど、行動範囲内で自然を感じることができる場所を自分で探し、木に登ったり、穴を掘ったり、溢れんばかりの自然への好奇心を満たしていた。虫は一番身近に感じることのできる野生動物だったのだ。

ところが、中学生になり、部活や恋愛や友達関係に忙しくなり、私は木登りや、虫や、おたまじゃくしなどの野生から離れていってしまった。それから私が虫を自分から触ろうと思うことはほとんどなかった。それどころか、虫のことを毛嫌いするようになり、カナブンさえも触れなくなってしまった。

それから歳月が経ち、私は旅に出た。旅先で触れる自然豊かなこの地球と、面白い形の植物や虫たちに、また自然とつながる喜びが戻ってきた。幼少の頃、ただ純粋に自然の中に身を置くことを全身で楽しんでいた自分に戻っていたのだ。旅は時に自分を子供の頃に戻す。

さらに歳月が経ち、私は南アフリカのトランスカイで二人の子供を授かった。我が家には庭があり、木々や草花や野菜が植わっている。その中で、虫たちは独自の面白くも奇妙な暮らしを作り生活している。彼らは言わば私の同居人だ。この小さな同居人たちは私の子供たちの好奇心を刺激しているようである。そしてまた自分も幼少期をスタートし直すかのような体験を子供たちと共にするのである。

あれだけ触ることが嫌だった昆虫たちに触れ合う日が再び来たのだ。それは昔ほどの好奇心ではないが、子供たちが興味を見せれば、捕まえて見せる。それを彼らが真似る。虫は小さいが、いろいろな柄や形、動きをしていて、面白い。自然が作り出したアートである。うちの庭にはカメレオンも住み着いている。我が家には果樹が多いので、実の成る時期には野鳥の数も多い。そう言った自然がこの私の住むウムタタ郊外にはまだ残されている。

虫採りに学ぶこと
ところで「虫採り」というのは簡単そうで簡単ではない。虫は気配を感じると逃げてしまうので、虫を採る一瞬というのは自分の気配を消さなければいけない。私は幼少の頃この技を身につけているので、一瞬であれば気配を消すことができる。大げさに聞こえるかもしれないが、虫採りのコツはこの気配と瞬発力。

また虫は命の循環を教えてくれる。蝶をカミキリムシが食べ、そのカミキリムシをクモが食べる。神社や公園、空き地などでもリアルな食物連鎖を見ることができるのだ。だから私は小さな頃に虫に触れ合うことは自然のことを知る、とてもいいチャンスだと思っている。

現代の子供は、マンションなどの庭がない家に育つことも多く、野生動物や自然を知ることができずに育つ。小さな頃から虫を恐れている子供も多い。私も父親がクモとゴキブリが大っ嫌いだったので、その二つは今でも好きになれない。私はそれをこっそりトラウマだと呼んでいる。親(特に父親)が怖がっているものは、子供にも怖がらせてしまうものだ。

子供たちが自然と触れ合うことで見える日本の未来
私は次の世代を担う、子供たちに小さい頃から自然に触れ合い、その神秘を学んで欲しいと思う。大人になった今でも、あの自然と触れ合って育った時間というのは、とても貴重な体験であったと実感するのだ。あの経験がなければ、今の私はないだろう。

タヌキやイノシシ、シカなどは都市ではなかなか見ることができないが、虫はどこにでもいる野生動物だ。虫や草木に触れ合うことは、自然を愛する心を育てる。食物連鎖を目の前で見ることで、自分も自然の一部だと実感することができるのだ。

今の現代社会の一番大きな問題は自然と共存できないことにある。私たち大人の作り上げた社会は自然との付き合い方を知らない。 そんな世の中に生まれてきた子供たちが自然と触れ合うことなく大きくなったら、私たち地球の未来はますます自然から離れたものになってしまうだろう。

今の子供達は、大人が解決できない山済みの環境問題を、解決しなければいけないという使命を持って生まれてきている。その未来を担う日本人である子供たちに、少しでも自然の面白さや神秘を感じさせてあげることが、その解決の糸口になるだろう。それは教育よりも何よりも、今の子供達に必要な気がしてならない。





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